グリコのキャラメルに付いている「おもちゃ」が、5年ぶりに木のおもちゃになった。グリコのおもちゃが登場したのは昭和2(1927)年のこと。以来、紙、木、プラスチックなどの素材が使われ、時代時代の子供たちを夢中にしてきた。素朴な味わいのある木との触れ合いを通して心を育てる、「木育(もくいく)」への関心も高まっている。なぜ今、木なのか。
◆大人もつい夢中に
今年のグリコは「アソビグリコ」としてリニューアル。木のおもちゃは、パズル、ダルマおとし、ままごとセットなど10種あるが、例によって箱を開けてみないと中身は分からない。
その「おもちゃ」で実際に遊んでいる親子の家を訪ねた。テーブルに木のおもちゃが、バラバラに置いてある。何種類分のおもちゃか分からない。女の子(5)にとって、どれがどのおもちゃの「部品」かは、あまり関係がなさそうだ。手に取ったおもちゃのピースを一つ一つ積み上げていく。
大小、色とりどりのピースによる「塔」が高さを増し、10センチを超えたころ、グラッと揺れたが、持ちこたえた。横にいるお母さんは「すごいね~」。でも、手は出さない。
「こわ~い」。女の子は、そう言いながら積んでいく。ついに塔は崩れ、木片は乾いた音を立てながらテーブルに広がった。
「ひゃ~」。残念だったね、と声をかけると「倒れるとこ、おもしろい」。お母さんは「木のおもちゃは角が丸くて安全だし、単純だけど奥が深い遊びで、大人もつい夢中になりますね」。
キャラメルの発売元、江崎グリコのマーケティング部、河瀬茂宏さんに話を聞いた。「もう一度、木でやろう、グリコにしかできない『おもちゃ』を作ろうと。親子や3世代でも一緒に遊べるものをと考えました。今の子供たちには新鮮ですが、かつて子供だった方々には懐かしいものも入っています。いずれも長く遊んでほしいという思いで作りました。創業者の言葉に『子供にとって食べることと遊ぶことは、2大天職である』とあります。まず楽しんで遊んでもらえたら」
売り上げも好調で、3月=160%、4月=170%、5月=190%(いずれも前年同月比)という。
木で育つ、木によって育てられる「木育」。平成18年に林野庁「森林・林業基本計画」の中でその大切さがうたわれ、さまざまな取り組みが進んでいる。大手通販カタログの知育玩具特集ページには、積み木・パズル系やままごと系など木製の玩具が並び、サイトの「楽天市場」には「木のおもちゃ」の週間ランキング・トップ30が出ている。
◆心理的に落ち着く
間伐材を使う「マイ箸(はし)づくり」など、森林との楽しいかかわり方から環境や人について考える活動を続けているNPO法人(特定非営利活動法人)「森のライフスタイル研究所」の代表理事・所長、竹垣英信さん(39)は話す。
「木のおもちゃには、やさしい質感がありますし、それで遊ぶと心理的に落ち着くという研究もあるそうです。アソビグリコの『おもちゃ』を実際に手にとってみましたが、丸みがあり、色遣いもきれいで、親子が熱くなって遊ぶ光景が目に浮かびました。環境とか健康を考えようといっても、楽しさがないと人の根気は続きません。その点でアソビグリコは長く愛されると思います」
竹垣さんのNPO法人などが主催する「木づかいシンポジウム みんなで木を使いましょう!」が25日午後2時、東京都港区立「エコプラザ」で開かれる。参加無料。(「産経新聞」より)
体に触れ、手に触れる木製品は、もともと私たちが使い続けてきたもの。「木偏」の付く漢字を思い浮かべてみれば容易に想像が付きます。樹種により匂いも変わり、木製品はプラスチック製品などに比べ、より深い楽しみを得ることができますね。
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